第26回越後湯沢全国童画展入賞・入選作品
第26回越後湯沢全国童画展入賞・入選作品(令和3年度)
第26回越後湯沢全国童画展の審査会が3月14日に行われ、以下のとおり受賞作品が決定いたしました。全国から多数の出品をいただき、誠にありがとうございました。
なお、作品展は4月23日(土曜)~5月3日(火・祝)を予定しております。皆様のご来場をお待ちしております。
- 応募総数232点
- 大賞1点、最優秀賞1点、優秀賞1点、奨励賞3点、佳作5点、入選 40点 計51点
第26回入賞・入選者一覧 (PDFファイル: 165.9KB)
第26回越後湯沢全国童画展作品展 (PDFファイル: 1.8MB)
川上四郎記念大賞
川上四郎記念大賞「大王いか出現!!」有吉礼音(千葉県)
最優秀賞・優秀賞
最優秀賞「あっママの声だ!」小泉ヤスエ(香川県)
優秀賞「その日がくるまで」稲澤水輝(東京都)
審査員選評
豊口 恊(前長岡造形大学前理事長)
地球の環境破壊が国際的に取り上げられて、早くも半世紀が過ぎた。温暖化、海洋汚染と範囲が広がり国際機関でも対応策に頭を悩ませている今、人々の目に直接的に入って来ない海の底に目を当て、広く対応を呼びかける作者の心に1つの意識の強さを感じさせる。大賞の“大王いか出現!!”は世界へのメッセージとして評価したい。
昔、台湾の大学に招かれた折、休みの日に台北の海岸を歩いていると幼い少年が近づいてきて貝がらを見せながら“1つ1ドルで買ってよ、耳に近づけると母さんの声が聞こえるんだよ”と。母親をなくした少年は貝がらで生計を立てているという。母親と子どもの関係はどんなものよりも尊く美しい!最優秀賞にふさわしい作品である。
最も人間に恐れられてきたおおかみ。そのおおかみが期待する平和とは何か、コロナ、ウクライナ侵攻と世界は大きく揺れている今、本当の平和とは人と人との豊かなコミュニケーションに他ならない事を訴えているのだろう。これからの時代を創る世代の声に注目したい。
この3年間、世界はコロナで疲れ果てている。それを救うすべは何か。この3つの作品を通して言えることは、人間と人間、マンツーマンの深いコミュニケーションに他ならないことを!
26回を迎えた越後湯沢童画展の使命は次代への社会への世界への健全なるメッセージが根底にあることだと思うと願いたい。
田村 実(元福音館書店絵本編集長)
「絵は好きなように描くのがいい。それが楽しいし、楽しいことが一番だね。」と先年亡くなった安野光雅さんがおっしゃっていた。それは当たり前のことなのかも知れないが、今回童画展の審査をしていて、改めてその言葉を思い出した。たとえ辛く、苦しい思いを抱いていても、絵を描くことは喜びであり、心躍ることであろう。そのような思いが感じられる多くの作品に出会うことができた。困難な時代だからこそ余計にそう感じるのかもしれない。
大賞「大王いか出現!!」は、近未来の世界を思わせる不思議な作品である。現代文明への警鐘ともとれるが、大王イカのユーモラスな表現や、画面全体の構成は面白く、どこか神話的な世界をも感じさせる。
最優秀賞「あっママの声だ!」は、幼い女の子のうれしそうな表情に目を奪われた。身体全体から溢れる楽しさが、見事に描かれている。作者の愛情が伝わってくる。
優秀賞「その日がくるまで」は、迫力のある画面で心に迫ってくる。厳しい冬の終わりを待ち望むオオカミたちの表情に物語を感じる。
春の気配が感じられる越後湯沢での審査会で、たくさんの魅力的な作品に出会えて、こちらが力をもらえたような気がします。感謝。
小松 修(画家・現代童画会常任委員)
この一年は、昨年に続くコロナ禍、地球温暖化、権力の横暴と問題山積の年である。今年の応募作品の多くに、それらが色濃く反映されていた。この状況の中で、それぞれの作家の世界に深々と浸りながら、独自テイストの絵を描き込んだ作品が多くあり、見ごたえがあった。
<大賞>「大王いか出現!!」
テーマとしては、現在、人類が力を合わせて取り組まなければならない地球温暖化を取り上げながらも、海中の生きものと将来の人類の姿を独自のタッチで大いに楽しみながら、精緻に描き込んでいるいるところが魅力である。生きものに対する愛情と世界に対する想いが細やかな一筆一々に込められて、惹き込まれる。
<最優秀賞>「あっママの声だ!」
幼女の何気ない仕草から愛情豊かな大人達に囲まれて、のびやかに育っている様子が伝わる。しっかりした表現力、構成力、色彩が魅力である。この状況下でも温かい人と人との繋がりが感じられる。
<優秀賞>「その日がくるまで」
個性的なオオカミが雪中の寒さを耐え忍びながら、先に訪れるだろう希望を見据えているインパクトの強いメッセージが伝わってくる。牙をむいたオオカミの不気味な雰囲気から希望だけでなく、不安も欲望も感じる。見る者に様々なストーリーを感じさせ、楽しませてくれる。
奨励賞
「もうすぐつくよ がんばろうね」山岡建造(千葉県)
「春の精は赤い靴を」橋本ひとみ(京都府)
「星空」田尻恵理菜(大阪府)
佳作
「あまびえの森」清島義司(千葉県)
「時間が回る」寺崎廣子(京都府)
「「ようこそ」」畠山結花(宮城県)
「ぬけ道」上田理世(奈良県)
「『わたしは元気!と伝えてね』~お魚の手紙」川井眞理子(神奈川県)
入選
「Bird Sanctuary」細井一貞(新潟県上越市)
「葉っぱに乗って(きれいだの)」桑原美佐子(新潟県魚沼市)
「真夜中のフェス」池田和子(東京都)
「画家の夢」渡辺敏彦(富山県)
「密談の準備」フルイチマサヒコ(神奈川県)
「ともだち」広沢葵(新潟県長岡市)
「ヤギ仙人の住む家」望月信幸(長野県)
「どんど焼きがやってくる」たけだみつひろ(長野県)
「ワニぼっこ」貴田レオン(大阪府)
「ひ孫とのひととき」水澤文江(新潟県南魚沼市)
「家族」金丸竹子(三重県)
「叱られて」森美恵(神奈川県)
「94回の春を又迎えられたね・・・」小久保洋子(東京都)
「優しい気憶」上原由起子(兵庫県)
「ママのブーツ」鈴木信次(群馬県)
「昼寝」竹谷千穂(京都府)
「いってらっしゃい」岩城安子(兵庫県)
「おかえり」寺崎城介(千葉県)
「赤いポスト(みんなの願い届けて)」山北敏比幸(三重県)
「The 昆虫」阿部広(宮城県)
「さあ いそげ~」長田智佐子(神奈川県)
「なかよくできる?」山形牧子(宮城県)
「思い出」北口久人(大阪府)
「姉ちゃんが嫁ぐ日のお見送り」近藤猛彦(新潟県新潟市)
「妖精の楽園」kiki(京都府)
「無限の世界」中本雅(兵庫県)
「深い深い海の中」井上靖子(京都府)
「夜の世界」東耀平(愛知県)
「安寧の時」黒川つきえ(福岡県)
「この世界は公園」藤井リベカ(長野県)
「緑の調べ」倉羽博之(千葉県)
「桜風」今泉心(北海道)
「夜のファンタジー」池田勝彦(愛知県)
「あの列車に乗って」高木共子(神奈川県)
「光の下でごはん食べよう!」うたかひろこ(兵庫県)
「迷宮の俯瞰1」児玉泰(大阪府)
「決意の刻」夜中つか(愛知県)
「元気の粉」祐加(兵庫県)
「声をおいかけて」ねずまちるくね(愛知県)
「2歳、4歳の初登山「お山の上は楽しいな」」齋藤勝子(新潟県南魚沼市)
※タイトル、氏名等を類似文字で表示している場合がありますので、ご了承ください。
※入賞・入選者の敬称は省略させていただきます。
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子育て教育部 教育課
〒949-6102
新潟県南魚沼郡湯沢町大字神立1580番地
電話番号:025-784-2211
ファックス:025-784-3583
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更新日:2022年09月12日