第23回越後湯沢全国童画展入賞・入選作品

更新日:2020年02月28日

第23回越後湯沢全国童画展入賞・入選作品(2019年)

  • 応募総数 250点
  • 大賞1点、最優秀賞1点、優秀賞1点、奨励賞3点、佳作5点、入選40点 計51点

川上四郎記念大賞

白い天使達が飛び回って森の中を楽しく遊んでいるような作品

川上四郎記念大賞「天使たち『ゲノムの森を探検』」踊由紀子(東京都)

最優秀賞・優秀賞

牛小屋で母牛に餌を与えている男性と子牛の体を拭いている男性が描かれており、その様子を母親と娘が柵の外から見ている様子を白黒の絵で表現している作品

最優秀賞「子牛生まれた」たけだみつひろ(長野県)

背景に飛んでいる青い蝶が薄いタッチで描かれ、茶色の大きな毛糸の帽子を被り、紺色のパーカーの上着を着た幼児が手に停まっている青い蝶に目を向けている絵画の作品

優秀賞「冬の蝶」水谷馨(愛知県)

審査員選評

豊口 恊(長岡造形大学前理事長)

 時は流れ、人は去り、時代は大きく動いています。この混沌とした時代、世界は大きくゆれています。作品の多くは、時代の流れを背景に大きな努力のあとが表現されています。
 大賞の「天使たち『ゲノムの森を探検』」はその言葉ゲノムに表現されているように世界的に注目されている人類の存続、遺伝子の問題に触れたメッセージを表現しています。これから生まれてくる子ども達への平和の祈りが心をうちます。
 最優秀賞の「子牛生まれた」は、生命の尊さを軸として家族の絆を巧みに表現しています。母牛の表情、父親の表情、見守る子ども達の目など迫力があり、心暖まる作品です。
 優秀賞の「冬の蝶」にもいのち、この地球上でのすべての生命の生きざまを象徴的に表現しています。きびしい冬を越す蝶達のいることを知る人は少ないかもしれませんが、その存在こそが大切なのです。
 生きることの難しさ、生きることの大切さ、生きることの尊さを一人の子どもと蝶との対話の中に表現していて素晴らしいと思います。
 明日の地球を、明日の生命を呼びかける今年の作品は、新しい時代を切り開く鍵を握っているように思います。

田村 実(元福音館書店絵本編集長)

 今回もたくさんの素敵な作品と出会うことができた。回を重ねることによって「童画」の世界も広がってきたように思う。
 無垢な童心やノスタルジーや夢の世界といったステレオタイプな童画観から脱し、表現したいものを、自らの感性で描いている作品も多く見られるようになった。うれしいことである。
 今回の応募作品には、様々な主題、表現のものがあったが、大賞の作品「天使たち『ゲノムの森を探検』」には驚かされた。このような主題の作品が生まれてくることが、まさに童画の面白さであり、楽しさである。
 最優秀賞の「子牛生まれた」には、実体験から生まれたリアリティーがあり、その生き生きした描写に心を奪われた。
 優秀賞の「冬の蝶」は静謐な作品で、そこに込められた祈りのようなもの感じた。心に深く響く作品だと思う。
 混沌とした現代社会で、どのような「童画」がありうるのか。少なくとも前向きの、希望のあるものであってほしい。「物語」が感じられる、そして、オリジナリティーのある作品であってほしいと思う。

小松 修(画家・現代童画会常任委員)

 今回の審査は難しいものだった。コンセプトの面白い作品、絵画技術的にすぐれた作品、イメージ発想のユニークな作品、それぞれ多くあるが、総合的に秀でたものが少なかったように思う。飛び抜けたユニークさで圧倒する作品を望む。
 大賞作品は、遺伝子(ゲノム)の世界にイメージをふくらませて、人類、地球、宇宙…と作者の興味が拡がる様を素朴に表現している。人類究極のテーマに明るさを感じる。
 最優秀賞作品は作者自身の実体験にもとづき生活を力強く描いている。画面中央の黒く大きな牛の親子の迫力、存在感がすばらしい。牛を含めた家族の表情も懐かしい暖かさ、ひたむきさが感じられる。
 優秀賞作品は群青色の蝶に心を惹かれる。子どもの無垢な心と蝶の神秘的なイメージが交差して、見るものに様々なイメージを拡げてくれる。

奨励賞

中央に白い白鳥のような鳥が描かれその周りにも、牛や鶏などの動物が描かれている作品

「『いれぶん』」阿部 広(宮城県)

窓枠のある壁が続いており、壁の影が地面に写っており、一部が掛けている白い大きなドーナツが置かれており、その上空にドーナツの形をした輪っかが3つ(小・中・大の大きさ)が空に浮かんでいる絵画の作品

「誰がドーナツホールを壊したのか」穂波 梅太郎(大阪府)

真っ暗な夜空に星がきらめいており、虫のような妖精たちが草の中で楽しく戯れているような絵画の作品

「星ふる夜に」川井 眞理子(神奈川県)

佳作

濃紺に塗られた背景に緑の大小の星が描かれて、黄色い花のつぼみのようなものが流れ星のように流れている絵画の作品

「星の誕生」夜木 マリヤ(滋賀県)

冬の森に雪が降り積もっており、木々に雪が降り積もる中、傘を被ったお地蔵様が6体並んで空を見上げている絵が描かれた作品

「雪中地蔵巡礼」木村 千代春(新潟県新潟市)

畑の中に、幼い女の子が1枚の大きなフキの葉っぱの下に入って両手でフキの葉を持って座りこんでいる絵が描かれている作品

「コロポックルになって」小泉 ヤスヱ(香川県)

真っ暗な夜に、高いビルが立ち並び、黒いカラスがあちらこちらに飛んでいる絵が描かれている作品

「眠らない子は怖い目に遭うかもしれない」倉羽 博之(千葉県)

「こもりうた」の中であったかい気持ちで眠っている親子が描かれている作品

「『こもりうた』」園田 源二郎(滋賀県)

入選

カタツムリのような虫で、貝殻の中心から羽が生え、足も2本生えている生き物が中央に大きく描かれている作品

「春の幕開け」大坂 美詠(奈良県)

大きな木の根元に小鳥のひなと、きのこや植物が淡い優しいタッチで描かれている作品

「mushroom chair」上原 由起子(兵庫県)

笑顔の幼い女子が2人中央に描かれており、後ろには髪の長い女がミニーマウスの耳のカチューシャを頭に付けてミニーマウスのぬいぐるみを右手に持ち、座っているい女の子がミッキーマウスのぬいぐるみを持っている絵が描かれている作品

「仲良しふたりのパラダイス」高崎 順(千葉県)

木にオレンジ色の柿の実と赤く色づいた柿の葉が描かれており、柿の枝の下に、おさげが髪の女の子と青い帽子を被った男の子が描かれている作品

「ぼくらの里山」永野 宏三(福岡県)

雪がチラチラと振っており、「ゆざわ」と書かれているバス停と小さな像とクマのぬいぐるみのような物が描かれ、白いスカーフを頭に巻いた女の子が黒い傘の柄を手の上にに乗せている絵が描かれている作品

「あの日見たサーカス」ゆえ まつこ(富山県)

雪の降り積もる森に足跡がありその先の木々に青いコートを着て白いマフラーを巻いた人が木に持たれかかっている絵が描かれ作品

「『君とさよなら』」高松 三智子(千葉県)

赤く色づいた林の上に丸い月が浮かんでおり、月には丸い窓があり、丸い木のようなものが生えている絵が描かれている作品

「旅する月にのってシリーズ:秋がすぎてゆく」古市 正彦(神奈川県)

家の中にいる子どもがマスクを付けて窓に張り付いて外の様子を見ており、外には子ども達が雪の降る中雪だるまを作っている様子を描いている作品

「お見舞い雪だるま」尾白 かおる(兵庫県)

綺麗なピンク色のカタツムリのマイマイから出て来たリボンのような物を身にまとったマイマイカブリが幻像的な表現で描かれている作品

「マイマイ王女」宮沢 さとみ(神奈川県)

海の中に水草や色々な種類の魚、クラゲが沢山泳いでいる様子を描いている絵画の作品

「水の中ですーいーすーい」有吉 礼音(千葉県)

龍が長い体をくねらせて夜のような暗い空を飛んでおり、龍の体に人間やウサギのような耳の長い動物が座っていたり、龍の体に捕まってぶら下がっている人が描かれている絵画の作品

「龍の背に乗って」寺崎 廣子(京都府)

夜空に三日月や星が描かれて、線路のような線の上を列車が走っており、下に花や家のようなものが描かれ取りが飛んでいる様子が描かれている絵画の作品

「涙とともに見上げれば、ぼくらの夜空に虹がかかる」くまの ひでのぶ(東京都)

海の中のような景色で、クジラが逆さに泳ぐ様に描かれ、犬のような動物2匹が追いかけるように描かれ、水の中になびいている紐の様なものの上に動物が座っている様子が描かれいる絵画の作品

「さぁ、出発だ!!」竹下 美穂(千葉県)

川に沈んだ葉っぱが川の流れで反射して光っているような作品の写真

「みんなおいでよ。」平島 久子(香川県)

人の顔の上に魚のような物が描かれ色とりどりの鱗が広がって見える絵が描かれている作品

「水の国の王様」浅田 祐加(兵庫県)

白い像の下に人間2人が像に捕まろうと両手を伸ばしている様子が描かれている絵画の作品

「天国の白い象」橋本 ひとみ(京都府)

玄関先で赤いワンピースを着た小さな女の子が通りの向こうに描かれている子ども達を見ている様子が描かれている絵画の作品

「おかえりなさい」栗原 淳子(新潟県新潟市)

空を泳いでいる赤や黒のこいのぼりと豆絞りを頭に巻いた人々が緑や青、赤色のこいのぼりを持っている様子を描いている絵画の作品

「鯉のぼりをあげよう」柳沼 ひろこ(福島県)

白いとぐろを巻いた龍と雲の上に乗った角のある鬼のような物が描かれている作品

「天までとどけ」ねづまち るくね(愛媛県)

おかっぱ頭の青いワンピースを着た女の子が赤いあやとりの紐を両手にかけている絵を描いている絵画の作品

「赤いあやとり・空とあそぶ」片山 ヤスコ(神奈川県)

赤い帽子を被った男の子と、ストライブのティーシャツを着た男の子と花柄のワンピースを着た女の子が2人が向かい合って手に持ったお花差し出して立っており、間にいるねこが右手を挙げて口を開けている様子が描かれている作品

「さっきは、ごめん! 2」松雪 亮子(佐賀県)

草むらの中にたくさんの鹿が草を食べている様子を、影で幻想的な雰囲気で描いている作品

「草むらの出会い」平田 利一郎(東京都)

海の岩肌にいる大きな伊勢海老にたくさんの人間の形をしたものがよじ登っている様子が描かれている作品

「エビとその仲間たち」すぎもと 和(愛知県)

ワニの前に赤い帽子を被った人が立っており、その後ろには筒のような物から出てきた、黄色い蛇と赤いシマシマ模様の蛇が向かい合って描かれている作品

「ヘビつかい」うめだ たかし(東京都)

大きな像と鳥、不思議な色の木、帽子を被った人が描かれている作品

「ねぇ!みてっみてっ!」松本 みさこ(岐阜県)

町の上に花や星や月、大きな鯨が描けれている作品

「花吐キ鯨」雨露 馨子(愛知県)

森の中で、子ども達が人形遣いの男性を囲んで座っており、男性が膝の上で人形遣いをしている作品

「人形遣い」寺下 翠(長野県)

白く光っている馬のような動物の背中に小さな家がある作品

「わたしのふるさとへのみち」谷口 正造(東京都)

黄金色に染まった稲穂の向こうに、獅子舞と法被を着た男性が提灯を持って並んでいる様子が描かれている作品

「ふるさとの秋まつり」山北 敏比幸(三重県)

猫のお内裏様とお雛様が描かれている作品

「猫のひな祭り」横井 佑次(神奈川県)

蜘蛛の巣と蜘蛛の向こうに公園のベンチと小さな子ども2人が座り込んで遊んでいる様子が描かれている作品

「夏休み」高橋 一彦(新潟県小千谷市)

三日月と家のような物が浮かんでおり、幻想的な雰囲気の作品

「きみたちのぼうけん」永井 祥浩(茨城県)

男の子がしゃがみ込んで、葉っぱを右手で掴んでおり、土の中の様子や後ろに5本の木が描かれている作品

「みんな生きてる」阪元 沙耶香(兵庫県)

古い蔵や和風の家が描かれ、通りには座って話す人や歩いている子ども達や犬、青いトラックが走っている昭和の風景が描かれている作品

「元気だった昭和の昔」近藤 猛彦(新潟県新潟市)

丸の中に笑った顔が描かれ幾つもの丸がつながっている作品

「笑顔の豆」さこ(北海道)

草原の中に2人立っており、青い空に白い雲が浮かんでいる空が描かれている作品

「どこまでも」中澤 佳子(東京都)

体に丸いピンクやオレンジ色の模様がついているカエルが描かれ、頭にもきれいな羽が生えているおしゃれなカエルが描かれている作品

「かえる池に甘い雨が降る」貴田 和恵(大阪府)

中央に3匹の猫が寄り添っているように見える作品

「ねこまんじゅう ―何匹いるでしょう」石原 ヒトミ(香川県)

虹色の月とその左横に水色の星、左下に黄色い星が描かれている作品

「宙へ」西沢 紀子(山梨県)

三人の子どもがカッパを着て雨靴を履いて赤い傘をさしている様子を淡いタッチで描いている作品

「雨ふり」今泉 理恵子(北海道)

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