第27回越後湯沢全国童画展入賞・入選作品

更新日:2023年03月17日

第27回越後湯沢全国童画展入賞・入選作品(令和4年度)

第27回越後湯沢全国童画展の審査会が3月8日に行われ、以下のとおり受賞作品が決定いたしました。全国から多数の出品をいただき、誠にありがとうございました。

なお、作品展は4月29日(土曜・祝日)~5月8日(月曜)です。皆様のご来場をお待ちしております。

  • 応募総数272点
  • 大賞1点、最優秀賞1点、優秀賞1点、奨励賞3点、佳作5点、入選 40点 

 

審査会の様子

審査会の様子

 

川上四郎記念大賞

カーブミラーの世界

川上四郎記念大賞 「カーブミラーの世界」 清島義司(千葉県)

最優秀賞・優秀賞

イシとの出会い

 最優秀賞「イシとの出会い」 わだはるな(広島県)

ちょうちょが産まれた

優秀賞「ちょうちょが産まれた」 岩瀬哲夫 (神奈川県)

審査員選評

田村 実(元福音館書店絵本編集長)

例年になく暖かい日差しの中での審査会であった。

パンデミックが収まりつつも、世界は相変わらず不安に満ちている。戦争や自然災害などさまざまな問題が私たちの暮らしに暗い影を落としている。そんな中で「童画」はどのような意味をもつのだろうか。そんなことを考えながら審査に向かった。

今回もたくさんの素晴らしい作品に出会えたことは嬉しいことであったが、今の時代を乗り越えていくパワーが感じられる作品はそれほど多いとは言えなかった。傾向としては、とりわけ春の訪れを描いた作品が多かった。未来に明るい光を見たいという作家たちの祈りのようなものを感じた。

今回の大賞作品「カーブミラーの世界」は不思議な作品である。何が現実でどこまでが幻想なのか、見る人を迷路に誘い込む。作家自身が意識したかどうか分からないが、まさに現代の私たちの社会そのものなのかもしれない。

最優秀賞の「イシとの出会い」もやはり不思議な作品である。一つの画面の中にさまざまな物語が重層的に込められていて、それを想像する楽しみを味わうことができる。コラージュのような画面構成も面白い。


優秀賞の「ちょうちょが産まれた」も不思議な作品である。この何とも言えないパワーにはひきつけられる。まっすぐな力を感じる。

それぞれ「不思議な作品」ということは、いわゆる「童画」という枠をはみ出して、私たちに訴えかけてくるものがあるということかもしれない。「童画」がこれからどのような世界を見せてくれるか楽しみである。

小松 修(画家・現代童画会常任委員)

今回の応募作品をみた第一印象は、コロナが収束しつつあるという絵の「明るさ」だ。「さあ、これから思う存分描くぞ!」という力強さを感じ大変うれしく思った。

・大賞清島義司さん「カーブミラーの世界」の作品は、円形のミラーの中に、思い出なのか、幻想の世界なのか、歪んだ不思議世界が閉じ込められ、かつ、周囲にもはみ出し拡がっている。モノトーンのクラシックなサスペンス映画をみている様で魅力的だ。画面構成力、発想力、表現力全体が卓越して大賞にふさわしい。

・最優秀賞 わだはるなさん「イシとの出会い」の作品は色面構成のような淡いグリーンのコラージュ風景の中に、遠い過去の思い出の世界が拡がっている。作者のコメントによれば、高知で出会った老人から聞いた思い出話をもとにイメージしたそうで、閉じた目の中にうかんだ情景が、コラージュの紙の合間にしっとりとしみ込んで表現されていて、秀逸だ。

・優秀賞 岩瀬哲夫さん「ちょうちょが産まれた」は卵から幼虫、サナギと育ち、ある日突然きれいな蝶がはばたいた時の、幼い女の子の感動を素直に力強く表現していて、その真っすぐな気持ちに共感する。テクニックではなく力強い感動が伝わる素敵な作品だ。

審査を通して感じた事は、それぞれの作品の中に独自のストーリー、イメージ、感動がしっかり込められていて、見るものに伝わる作品が多く、童画の面白さだ。「童画」ということばの表面的なイメージにとらわれず、独自の世界が増々拡がってゆく事を願う。

奨励賞

たこが寄り添う

奨励賞 「たこが寄り添う」白石健 (愛媛県)

足りてない

奨励賞 「足りてない」 コイケミズキ  (東京都)

Silent line

奨励賞 「Silent line 」 YUCCA(兵庫県)

佳作

夜の教室で

 佳作「夜の教室で」 山本武郎(神奈川県)

ハリネズミとうさぎとてんとう虫の散歩

佳作 「ハリネズミとうさぎとてんとう虫の散歩」一宮江里子(香川県)

てるてる坊主 てる坊主 あ~した天気にしておくれ

 佳作「てるてる坊主 てる坊主 あ~した天気にしておくれ」二代目喜一郎(大阪府)

だれかが私を連れていってくれたなら

  佳作  「だれかが私を連れていってくれたなら」 小澤奈央(宮城県)

私はどこへでも行ける。

 佳作 「私はどこへでも行ける。」 nemumi  (静岡県)

入選

ぼくんち渡り鳥

 入選  「ぼくんち渡り鳥」 小倉宗  (岐阜県)

GO!GO!スナネコブラザーズ

 入選 「GO!GO!スナネコブラザーズ」 ナカテ (兵庫県)

蓮沼の夏~命きらめいて

入選「蓮沼の夏~命きらめいて」 加藤元(宮城県)

田園交響楽

入選 「田園交響楽」   池田和子(東京都)

SCRAMBLE

入選「SCRAMBLE」渡辺敏彦(富山県)

おおきな牛

入選「おおきな牛」望月信幸(長野県)

びっくりおせち

入選「びっくりおせち」 高村夏美(長野県)

川の中をす~いす~い泳ぐ

入選 「川の中をす~いす~い泳ぐ」    北口久人    (大阪府)

春風

入選「春風」清水嘉奈子   (東京都)

降臨!!!鍾馗大明神

入選「降臨!!!鍾馗大明神」 小久保洋子   (東京都)

よなべ

入選「よなべ」 たけだみつひろ (長野県)

ぞう「地球は、何色?」

入選【 ぞう「地球は、何色?」】     秋山謙二(東京都)

農園の山羊小屋

入選 「農園の山羊小屋」 丸木ハヤミ   (香川県)

プロローグ

入選 「プロローグ」   あんまゆきこ  (神奈川県)

‟オーイ”遊ぼう

入選 「‟オーイ”遊ぼう」木下正博 (兵庫県)

あの時、ミシンは海を渡った3

入選「あの時、ミシンは海を渡った3.」  藤井節(佐賀県)

チャグチャグ

入選「チャグチャグ」  いいじままりえ (神奈川県)

竜とクジャク姫

入選「竜とクジャク姫」 井上靖子(京都府)

夢の惑星

入選「夢の惑星」山田清文(佐賀県)

Open the morning

入選 「Open the morning」夜中つか(愛知県)

春が来た

入選「春が来た」深海孝子(新潟県)

夏休み

 入選「夏休み」千葉弘太郎(群馬県)

「昼と夜のあいだに…」

入選「昼と夜のあいだに…」阿部広  (宮城県)

満月の散髪屋

入選「満月の散髪屋」橋本ひとみ(京都府)

Flood

入選「Flood」岩瀬貴憲    (石川県)

月夜の街

入選「月夜の街」南雲まき(東京都)

去りし日

 入選「去りし日」torie.M (京都府)

放鳥2

入選「放鳥2(Pigeon Blood)」須賀りす(群馬県)

朝霧の港にキリン現わる

入選「朝霧の港にキリン現わる」小山光男(香川県)

月夜のネコは騒がしい

入選「月夜のネコは騒がしい」工作狂師(東京都)

雪がっせんとシマエナガ

入選「雪がっせんとシマエナガ」塩見アイ子(北海道)

はじめての喫茶店

入選「はじめての喫茶店」小田島正恵   (群馬県)

諺町の路地裏

入選「諺町の路地裏」赤沼良晃(福島県)

いっしょにピース

入選「いっしょにピース」中部安梨(広島県)

猫の国

入選「猫の国」美馬匠吾(大阪府)

ソレデモ マモリタイ

 入選「ソレデモ マモリタイ」竹下美穂    (千葉県)

広い海へ行け

 入選 「広い海へ行け」 佐々木ひとみ  (茨城県)

世界の音が聞こえる時

入選「世界の音が聞こえる時」川井眞理子(神奈川県)

月光(祈り)

入選「月光(祈り)」  百名由希子(神奈川県)

月が満ちる時

入選「月が満ちる時」  石田雄二(長崎県)

※タイトル、氏名等を類似文字で表示している場合がありますので、ご了承ください。
※入賞・入選者の敬称は省略させていただきます。

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