第21回越後湯沢全国童画展入賞・入選作品
第21回越後湯沢全国童画展入賞・入選作品(平成29年)
- 応募総数 252点
- 大賞1点、最優秀賞1点、優秀賞1点、奨励賞3点、佳作5点、入選40点、計51点
川上四郎記念大賞・最優秀賞・優秀賞

川上四郎記念大賞「愛と夢」LEE YIQIAN(埼玉県)

最優秀賞「雪の日、君に出会った」成相淑子(兵庫県)

優秀賞「遠呂智風兄弟ノ図」古市正彦(神奈川県)
審査員選評
豊口 恊(長岡造形大学前理事長)
man to man のコミュニケーション。そんな時代への希求が感じられる作品が多かった。man to machineの時代からmachine to machine の時代を迎えている今、人々は改めて人と人との心の触れあいを最も大切にしたいと願っているようだ。
大賞の「愛と夢」マレーシアからのメッセージ。子ども達のゆるぎない未来への挑戦と受けとめたい。世界の人々への豊かなコミュニケーションを訴えている。
最優秀賞の「雪の日、君に出会った」1人の少女と1匹の犬の出会いは何を語っているのだろうか。お互いに相手の心を抱きしめて未来をはっきりと掴みたいという願望が美しく読みとれる。
優秀賞の「遠呂智風兄弟ノ図」題名が語るように各々の兄弟が仲良く生きる道を求めてゆく姿、それは明るく楽しく健康な未来へのメッセージを含んでいる。
子ども達に対する期待を寄せている作家の心がやさしく伝わってくる。
応募した作品の中に共通に感じるのは未来を背負ってゆく子ども達に対する愛情そのものである。
田村 実(元福音館書店絵本編集長)
「童画」とは何か、という問いには、作品で答えを出すしかない、と思っている。
とは言え、そこには「子どもの眼差し」と「子どもへの眼差し」を共に内包していてほしいと私は思う。この場合の「子ども」は、現実の「子ども」だけでなく、自らの内なる「子ども」も含まれている。
そして、一枚の絵の中に「物語」が感じられるような作品であってほしい。 そのような意味で、今回、たくさんの素晴らしい作品に出合えたことは、大きな喜びであった。 大賞の「愛と夢」には驚かされた。細部まで美しく描きこまれたトナカイと人物に込められた作者の思いが伝わってくる。並々ならぬ画力が、マレーシア人の若い女性のものと知って、驚きはさらに増した。
最優秀賞の「雪の日、君に出会った」は、心が温まる作品である。ここにも「子どもの眼差し」と「物語」が感じられる。なによりも美しい画面に心を惹かれた。
優秀賞の「遠呂智風兄弟ノ図」は不思議な魅力を持つ作品である。神話にインスパイアされた魔力のようなものさえ感じる。ユーモラスな表現に目を見張った。
全体的に、ノスタルジーや夢の世界だけでなく、未来へ向けた新しい可能性や希望を感じさせる作品が増えてきたように思えた。うれしいことである。
小松 修(画家・現代童画会常任委員)
今回、初めて審査に参加させていただきました。今回の作品全体からの印象は作品に対する取組みの真摯さです。テーマ、構成、描き込み、色彩全体に真剣さが伝わります。オリジナリティも感じました。今後に生かしてほしいと願っています。
大賞作品は、独特な形態とその中に埋め込まれた不思議なエキゾティックパターンに魅かれます。民族性あふれる表現を通して人と自然とのつながりも感じます。作者の感性のすばらしさを強く感じます。さらにこの世界が増々拡がってゆく事を楽しみにしています。
最優秀賞 雪の日という情景の中、とても暖かい気持ちのつながりを感じます。ふわっとした形を構成して空間の拡がりさえ感じさせ、落ちついた色彩の使い方もたくみです。独特な形態をもった表現が見る側をファンタジーの世界に包み込んでくれます。
優秀賞 手袋がいつのまにか鳥の羽毛になり、鳥の首がうごめく手袋となって踊っている。ユーモラスでありながら不気味でもある。色々な見方が出来、見る者を楽しませてくれる作品です。鳥、手袋、背景、全てに病的とも言える細かい描き込みが見られ、独特の世界感を表している。このオリジナリティをのばして次作をみせて下さい。
これまでは公募団体「現代童画会」の作品審査を、25年程続けて来ました。当コンクールも現代童画会も「童画」を標榜しています。純粋な心を大切に作品に取り組む姿勢は共通しています。これから先、純粋で熱意あふれる作品づくりをする仲間が増える事を楽しみにしています。
奨励賞

「さあ、春をとどけに」榊原美和(三重県)

「ゆかいな冬」小林千鶴子(新潟県長岡市)

「家出」山本いつこ(千葉県)
佳作

「元気な街 2」斉藤妃早子(新潟県燕市)

「冬支度」藤田遼子(東京都)

「カラスとわたし」松下和代(兵庫県)

「あめのおと」園田源二郎(滋賀県)

「水っぽい夕の密度」下村句里子(北海道)
入選

「けんちゃんと百鬼夜行」麻生遥(沖縄県)

「皆んなかえる」坪島輝明(広島県)

「いつか見た景色」古谷一規(京都府)

「私の帰る場所」高橋七海(神奈川県)

「気をつけて 行ってらっしゃい。」平島久子(香川県)

「逃げたカメはぼう子どろぼう」伊久美玉恵(東京都)

「夢のつづき」高橋直子(神奈川県)

「セイレーン」望月信幸(長野県)

「涼風に吹かれて」高橋一彦(新潟県小千谷市)

「遠くない未来」山田明子(滋賀県)

「ぼくを描くのやめないで」坂上萌(大阪府)

「生きる -ひとときー」遠藤純也(栃木県)

「ゆきあつめ」村田夕海子(埼玉県)

「ビビと一緒」長谷川一夫(新潟県新潟市)

「受けとる」小塙希(栃木県)

「森の唄」しろませいゆう(沖縄県)

「火・風・水・八百万」田中陽子(愛知県)

「馬に乗った母」松本武(神奈川県)

「ここにいるよ 1」岩城安子(兵庫県)

「負けてくやしい花いちもんめ」岡田祥子(千葉県)

「百の顔」薬本武則(千葉県)

「溶けてしまう前に」柘植雅一(愛知県)

「龍神様のプールの日」尾白かおる(兵庫県)

「もういいかい?」「まあだだよ!」佐藤好子(群馬県)

「やっと葡萄が実った!」上田圭一(埼玉県)

「森の宝石 野ぶどう」上原由起子(兵庫県)

「おじさんの汽車が来た!」近藤猛彦(新潟県新潟市)

「『ただいまー!』-トンボのお家-」石原ヒトミ(香川県)

「森の仲間」栗林七郎(東京都)

「夕暮れの特訓。」中村勇人(大阪府)

「シャノアール」利根川みちよ(東京都)

「雨あがりの…」渡邉玲子(千葉県)

「雨情」長谷川直也(神奈川県)

「秋うらら」山口洋子(千葉県)

「子供獅子」柳沼ひろこ(福島県)

「夫婦魚とその仲間たち」すぎもと和(愛知県)

「ちいさなコンサート」かるべめぐみ(石川県)

「三匹の猫とふくろうの家」瓜坂律(大阪府)

「赤い魚と女の子」八木多美子(静岡県)

「インナーチャイルド」冨岡友梨(京都府) ※タイトル、氏名等を類似文字で表示している場合がありますので、ご了承ください。
※入賞・入選者の敬称は省略させていただきます。
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〒949-6102
新潟県南魚沼郡湯沢町大字神立1580番地
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更新日:2020年02月28日